媒介契約の種類と特徴|不動産取引に必要な知識解説
2024/04/06
不動産取引において、物件の売買や賃貸を成立させるためには媒介契約が必要です。 媒介契約には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。 本記事では、不動産取引に必要な媒介契約の種類と特徴について解説していきます。
目次
媒介契約の種類とは
不動産業界においては、物件と取引するにあたって様々な媒介契約が存在します。媒介契約とは、売主や購入希望者と不動産業者との取引が円滑に進むように仲介をする契約のことです。主な媒介契約には、専任媒介契約、一般媒介契約、単独媒介契約があります。 専任媒介契約とは、不動産業者がすべての業務を代行し、他の不動産業者との競合を排除する形態です。この契約を結ぶことで、売却物件のプロモーションや購入希望者の対応を行ってくれるため、売主や購入希望者にとっては安心感があるとされます。 一般媒介契約は、複数の不動産業者に売却を依頼できる形態です。他の不動産業者も取引できるため、売却物件が広く知られ、売却価格の最適化が期待できます。 単独媒介契約は、不動産業者専属で業務を行う形態です。契約を結んだ不動産業者一社しか取り扱えないので、価格・条件等が十分に見込まれる場合に用いられます。このように、媒介契約は契約をする際に選ぶことで、不動産取引の活性化につながります。
専任媒介契約の特徴
不動産業では、物件を売買する際に専任媒介契約が一般的に用いられます。この契約は、物件を売り手と業者との間で締結するもので、業者に対して売買手続きの全般的な業務を委託することになります。専任媒介契約では、依頼した不動産会社以外と媒介契約を締結することはできませんが、知人などの個人とは直接契約をすることができます。ただし個人同士の売買ですと契約後にトラブルが生じる可能性もあることから、不動産会社に仲介をしてもらうこともしばしばあります。専任媒介契約の場合、売主は一社に売却を任せることとなるので、依頼された業者は力を入れて物件を売り出し、売主へ手厚いサポートを提供する必要があります。なお期間は3か月間となり、その期間に売却ができない場合、売主は「契約更新(3か月)・契約終了・一般媒介契約への切り替え」を選択できます。なお専任媒介契約は、物件の登録状況、市場動向、相場分析などのプロセスの全てに渡って一つの業者が責任を負うため、安心して売り買いすることができ、業者と売主が協力して、円滑な取引を行うことが出来るのです。
一般媒介契約の特徴
不動産業界において、一般媒介契約とは、物件の売却や賃貸を目的として、複数の不動産会社に同時に仲介を依頼する契約のことを指します。また、契約期間は原則として3ヶ月とし、期間内に成約が無ければ、契約は更新か終了を選択します。一般媒介契約を結ぶ場合には、契約書に記載された条件に基づき、不動産会社が販促活動を行い、成約後には仲介手数料が発生します。ただし、複数の会社が同時に仲介業務を行うため、必ずしも自社が成約するわけではありません。そのため、広告宣伝に力を入れない会社も出てくる可能性があります。一般媒介契約メリットとしては、不動産会社のネットワークを最大限に活用することで、より多くの顧客に物件をアピールすることができるため、契約期間内に成約に繋がる可能性は高まります。
専属専任媒介契約の特徴
不動産業界において、こちらの媒介契約はよく用いられる契約形態の一つです。この契約には特徴的な点があります。 まず、専属専任媒介契約とは、不動産業者が一つの物件に対して専属的に販売契約を結ぶ契約形態です。つまり、売主が他社及び知人などの一般顧客との契約を直接結ぶことができないため、業者にとってはリスクが少なく、効率的な営業活動ができるというメリットがあり、一般媒介契約とは異なった販売活動を行う必要があります。そのため、業者は物件に対して積極的な情報収集やマーケティング活動を行う必要があります。 専属専任媒介契約は、不動産業界において重要な契約形態の一つとして位置付けられています。なお、契約期間や期間満了後の対応は専任媒介契約と同じ流れとなります。契約を結ぶ前には、しっかりとメリットやデメリットを把握し、吟味して慎重に判断することが求められます。
媒介契約の注意点
売主と不動産業者との間で締結される媒介契約には注意点があります。まず、媒介契約の内容が明確であることが大切です。契約内容を知っておくことで、トラブル防止につながります。 また、専任媒介や専属専任媒介の場合は他社と二重の契約をしてしまったなどのトラブルがあるので、会社変更をする際は契約期間の確認も行っておきましょう。また違約金、解除条件についても充分に確認することが必要です。期間が長すぎたり、違約金が不合理に高かったりすると、依頼した不動産業者が不動産業法に違反している可能性もあります。細かい契約の条件を確認し、トラブルに巻き込まれないようにしましょう。